田都記念2011 Meta-game Breakdown
by Kouhei Sato
総勢65人が参加した田都記念2011。そのデッキ分布は以下のようになりました。
ヴァラクート 13 (2)
青黒コントロール 8 (2)
青白コントロール 7 (1)
緑単エルフ 4 (1)
黒赤吸血鬼 4 (1)
ボロス 4
青白緑コントロール 2
青白赤コントロール 2
緑白グッドスタッフ 2
緑単エルフドラージ 1 (1)
緑単エルドラージ 1
緑白赤同盟者 1
緑白青蔦シャーマン 1
緑白黒蔦シャーマン 1
緑白蔦シャーマン 1
緑白ライフ 1
緑黒青ビッグマナ 1
赤単ゴブナイト 1
赤単スライ 1
赤単チャンドラコントロール 1
赤単グッドスタッフ 1
青単エルドラージタッチ黒 1
青白黒コントロール 1
青白黒ターボフォグ 1
青茶単 1
白単ホーリーアーマー 1
黒青吸血鬼 1
※カッコ内はTOP8進出者数
※1名当日欠場のためデッキリスト不明
■ヴァラクート
「スタンダードの王者」は田都記念の地でもナンバーワンの使用率を誇った。最大勢力のアーキタイプであることは各々の調整にも見て取れる。昨年末のFinals前頃から流行となっているマナクリーチャーを積んだ形、とりわけ《水蓮のコブラ/Lotus Cobra(ZEN)》は13人中9人がメインボードに、3人がサイドボードに採用するほどの主流になっている。
また、追加の《召喚の罠/Summoning Trap(ZEN)》として《クローンの殻/Clone Shell(SOM)》を採用しているリストや、《肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind(SOM)》対策で《無限に廻るもの、ウラモグ/Ulamog, the Infinite Gyre(ROE)》を投入しているリストも見られ、ひとくちにトップメタと言えど使い手の個性が随所に光る。
会場最多の一方で、トップ8進出率の面では振るわず。これは当然周囲のマークが厳しくなっていることを意味している。
■青黒コントロール
構築段階から「対ヴァラクート」への意識を持つことが必須とも言える現環境。その筆頭として、先の世界選手権で猛威を振るったのがこのデッキだ。
プレイヤーごとに細かな違いが多数見られたが、ツートップの《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor(WWK)》と《墓所のタイタン/Grave Titan(M11)》はどのデッキでも不動。デッキ全体の特徴としては、ヴァラクートにカウンターで受け身に構えるだけでなく、手札破壊や《広がりゆく海/Spreading Seas(ZEN)》で能動的に干渉することで優位性を見出している。その上で各々ビートダウンを意識したり同系に強い構成にしていたり。手札破壊、除去、カウンター、ドローサポート。バランスの調整に乗り手の色が出る。
■青白コントロール
ヴァラクートと青黒の二強に割って入り、「第三勢力」になったのが青白コントロール。青黒が苦手としがちな《復讐蔦/Vengevine(ROE)》への回答が追放系除去でし易い特徴を活かし、当日は多くのビートダウンデッキを葬っていた印象。
田都記念での青白は大きく三つのタイプに分かれており、その筆頭になったのが優勝者マツモトの使用デッキでもある《戦隊の鷹/Squadron Hawk(M11)》と《エメリアの天使/Emeria Angel(ZEN)》を採用したクロックパーミッション寄りのタイプ。相手と戦況に応じて自らダメージレースを仕掛けることも可能なこの形は、本来ならば苦手とするヴァラクートに対してさえ空から殴り勝つ場面を何度も目にした。
古き良きという形容が相応しい、どっしり構える”正当派”青白コントロールも健在だったが、目を引いたのはメインから《境界線の隊長/Perimeter Captain(WWK)》を採用した超ビートダウンメタの構成。参加者の顔ぶれを予想し、メタゲームを読んだ賜物だ。
■緑単エルフ
ビートダウン勢の筆頭となったのが、準優勝者のヤマシタも使用したエルフ。マナクリーチャーからブン回りの展開がありながら《背教の主導者、エズーリ/Ezuri, Renegade Leader(SOM)》の再生や、《ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane(ZEN)》・《野生語りのガラク/Garruk Wildspeaker(M11)》といったPW、そして《復讐蔦》といったカードでの粘り強い戦いも出来る。
そんなエルフの中でも注目なのがスイスラウンドを1位で駆け抜けたワダの「エルフドラージ」。緑単エルドラージとのハイブリッドを高次元で実現。2tの《獣相のシャーマン/Fauna Shaman(M11)》に《マナ漏出/Mana Leak(M11)》を打ったら《召喚の罠》から《引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Torn(ROE)》が出てくる、といった悪夢のような展開も。
■黒赤吸血鬼
ビートダウン勢ではエルフに次ぐ勢力になったのが吸血鬼。《カラストリアの貴人/Kalastria Highborn(WWK)》を中心にシナジー満載の生物たちはどのデッキもほぼ不動で、1ターン目から展開される《吸血鬼の裂断者/Vampire Lacerator(ZEN)》や《鼓動の追跡者/Pulse Tracker(WWK)》といった早いクロックを火力でサポートする構成が中心。サイドからは追加の除去や手札破壊、除去の薄い相手に劇的に効く《死の門の悪魔/Demon of Death’s Gate(M11)》など。メインで差が出にくい分サイドボードを注視すると各自の調整の跡が見て取れる。
■その他のデッキ/まとめ
惜しくもTOP8入りはならなかったが安定した人気の上陸ボロスは今回も4人のプレイヤーが使用。また、いわゆる「ローグ勢」にも個性的なデッキが多数顔を揃えた。《獣相のシャーマン》と《復讐蔦》のエンジンは様々なデッキで取り入れられていたし、ヴァラクートのフィニッシャーの1つである《山/Mountain》をライブラリーから落としてしまおうという企みが見られたり、カードへの愛と自身のキャラクターを一途に貫くデッキがあったりと、とにかくデッキリストを見ていて本当に飽きが来ない。
真剣勝負とマジック愛が見事に融合された大会となった田都記念2011。次回以降の開催が今から楽しみでならない。
